Research shelf 02

一晩眠ると、隠れた規則に気づく人が2倍以上になった

数字を処理する課題には、誰にも教えない「近道」が隠されていた。8時間眠った人の59%がその近道に気づいた。起きていた人は、およそ4人に1人だった。

実験の中身

リューベック大学のワーグナー、ボルンたちの実験。「数字縮約課題」は、数字の列を決まった規則で処理して答えを出す。ただし実は、最後の答えは最初のほうの数字で決まるという隠れた規則があり、それに気づくと一気に速くなる。

参加者はまず練習し、そのあと8時間を「夜、眠る」「夜、起きている」「昼、起きている」のいずれかで過ごしてから、もう一度挑んだ。眠った群は22人中13人(59%)が規則に気づいた。起きていた二つの群(夜・昼)は、どちらも22人中5人(約23%)。練習をせずに眠っても効果はなかった。眠りは、すでに頭にあるものを組み替えるらしい。

汀ではこう使っている

汀は朝に「同じ問い」をそのまま返す。答えを変えるためではなく、あなたの見え方が変わっているかを確かめるため。眠りが情報を整理し直す(記憶の再編)ことを示した、よく知られた例がこの研究だ。

限界

この結果は「頑健」とは言えない。同じ研究室の後続の実験では、規則に気づいた人の割合が下がった(前半夜の睡眠で 31%=29人中9人、後半夜で 19%=26人中5人。睡眠は一晩ではなく3時間の半夜。Yordanova ほか 2008)。別のグループが、マジックの種や図形の問題など古典的な洞察課題で行った実験(Schönauer ほか 2018、Brodt ほか 2018)では、睡眠の効果は見つからなかった。睡眠が記憶に与える効果そのものの頑健さを問い直す総説もある(Cordi & Rasch 2021)。ひらめきが「起きる」と約束する研究ではない。汀が朝に問いを返すのは、この研究があるからではなく、朝の自分に確かめてもらうため。研究はその後押し、くらいに読んでほしい。

出典

研究の紹介であって、あなたに同じことが起きるとは限りません。汀は医療ではありません。効果を約束しません。

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